アタシの辞書に「期待」という言葉を記すとロクなことがない。 それでもその期待をそのまま抱かせておいてくれれば 騙し続けていてくれれば よいのに
錯覚することすらいけないのだろうか
よく分らないけれど。
ふらっ、と。 何かにつまづいたのか。 あるいは吹く風に煽られたのか。 よろめいた。 足元ではなく別の場所が。
最近、仕事帰りに会社の近くからバスに乗ることを覚えた。 ぐるりと少し遠回りする間、どうでもいいことを考えている。 それはその日に起きたことだったり、昔経験したことだったり、 自分のことだったり、誰か他の人のことだったりする。
ぐるぐると。 とめどなく。 ぐるぐると。
よく分らないけれど。
本当のことを知るのが果たしてよいことなのだろうか
誰にとって。 自分にとって。 きっとアタシにとってではない。
会社の入っているビルの1階入り口にクリスマスツリーが飾られた。
きらきらと。 ぴかぴかと。
綺麗だなぁ、と見ているアタシの何が本当で何が錯覚なのか
よく分らないけれど。
よく分らないフリをして 一番よく分かっているのはアタシ自身なのだろう。
どうせアタシには縁がないのだ。 と、この間誰かに聞かれた。 「なぜそう決めつける?」
それはアタシが一番良く知っている。
誰も愛していない。 誰からも愛されていない。
錯覚していただけだから。
大丈夫。
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