人はおそらく、嬉しかったり楽しかったりする思い出と 辛かったり悲しかったりする思い出の、 両方のバランスを保ちつつ歳をとっていくのだろう。 日々の一つ一つがそれぞれ楽しい思い出になったり 悲しい思い出になったり。
けれど悲しい思い出の埋め合わせをしたいのに 楽しい思い出作りがどうしても追いつかない場合は どうしたらよいのだろう。 そして楽しい思い出の作り方が分らない場合は どうしたらよいのだろう。
アレコレ色々と試してはいるものの、 どうやらいつも空回りばかりしている。
また疲れてきている。
数年前に服薬自殺を図ったせいで、私は過去の記憶が欠落している。 医者に「命を諦めろ」とまで言われた程の量の薬を飲んだので まぁそれくらいのことが起きてもしようがないのだろうけれど。
「今の私」はまだほんの5年程度しか生きていない。 それ以前の楽しかった思い出も、悲しかった思い出も、 手元に残ったのはほんの一握りである。
どうせ少ない記憶しか残っていないのだから、 楽しい思い出が残っていてくれればよいものを、 どういうわけだか思い出したくないものばかりが残ってしまった。 バチが当たったのだろうか。
それを「バチ」だと思う事で少しは相殺されないものだろうか。
人は皆、誰かに愛されている、という。 愛される為に産まれてきたのだ、とも聞かされる。
ごめんなさい。 私にはわからない。
わかろうにも「愛」の記憶が、無い。
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