色々なことがあって、重苦しくても時間は過ぎて行ったのだけれど、 結局ほとんどが零れ落ちてしまったような。 手元には何も残っていない気がする。
それなりに歩いているはずもない。 歩いている気もしない。
自覚はしている。
何週間か前から何かが少しずつ狂ってきてしまっている。 それは狂ってきているのではなく、もしかしたらこれが 正しい噛み合わせなのかもしれないのだけれど、 そんなもの誰にも分からない。
アタシ以外には。
けれど。 不規則な時計の針は「いつ」を教えてはくれず、 自分が今どこにいるのか分からないような気がする。 何をどうやって過ごしたのかも覚えていない。 どこにいるのか分からないのだから、 何をしているのかなんてことが分かるわけもない。
「そんな気がする」ばかりで、それこそまるで泡を掴んでいるような。
週末、涼子ちゃんと呑みに行った。 あれこれ話して、そこにいるのは「麗香」だった気がするのだが、 どうやって帰宅したのか覚えていない。 いつもの道を。
空はどこへ行ったのだったろう。
お土産は鯛焼きだった。
理由はおそらくアタシの考えているもので当たっているのだろう。 携帯は黙りこくったままアタシを眠らせ、 目が覚めたら誤爆メールを表示していた。
叩きつけたくなった。
と、昔浴びるようにお酒を呑んでいた頃のことを思い出した。
夜、仕度をして再びいつもの道を歩く。 大阪のM女さんを迎えて久しぶりの顔と会った。
一体何故なのか、アタシの中で何が燻っているのか分からないけれど、 そしてそれが何なのか実は分かっていて見ないフリをしているのだけれど、 いい加減酔っ払ったアタシが路上で彼女の頬に噛り付いた時の感触は 薄い記憶の中、表面近く静かに沈んでいる。
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