アホだアホだ天然だとひどい言われようの私であるが、 実はそんなにアホではないことを、今日はアピールさせていただく。
その証拠として、私は実生活に高度な知識を使いながら生きている。
まず、高等数学を使っている。
今日はスーパーで、「虫とり大作戦」を5個購入した。 飴が1個入っているためお菓子として売られているが、 メインたるものは10種類のおまけである。 幸運なことに今日の5個は皆違う種類の昆虫であった。 その確率を求めると、 10× 9× 8× 7× 6 3024 ――――――――――― = ――― = 0.3024 10×10×10×10×10 10000 であり、 以上をもって、 私が10人中ベスト3に入るラッキーボーイであることを導いた。
次に、高等物理を使っている。
自転車で移動中、飲み終わった空き缶が発生した。 もちろんこれは質量保存の法則により、 中身のホットココアが缶から私の腹へ移動したことを示している。 必要のない空き缶を移動させるのにも、 空き缶の質量M×移動距離Lの移動エネルギーがかかり、無駄である。 私は行く手の自動販売機の横にゴミ箱を発見した。 このゴミ箱に空き缶を落下させるには、 私の手の高さHと、ゴミ箱までの距離L、 また慣性の法則に従い自転車の速度Vから、 初速度V’と手を離すタイミングを算出する必要があった。
さらに、高等国語を使っている。
本日ハ、将ニ漢文読ミ下シニテ会話セントス。 我ガ友曰ク、夕飯ハ吉野家ニテスルハ如何。 答ヘテ曰ク、財布ヲ忘レル事ニ気ヅキ、君貸シテ呉レルヤ否ヤ。 我ガ友曰ク、否。 答ヘテ曰ク、其レ正ニ薄情ナリヤ。 我ガ友曰ク、否。孔子ノ道ハ財布ニ非ズ。 非ハ君ニ有リ。 秦ノ始皇帝ト雖モ、若シ吉野家ヘ行クナラバ、 財布ヲ持チテ行ク。 このようにして私は、無銭飲食をする危険を回避した。
以上の理由を以て、私はアホではないことを証明する。 しかし、私がアホであることも同時に証明したような気がする。
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