2002年04月14日(日) |
みずほ銀行に損害賠償請求ができるか |
日経5面に、みずほグループシステム障害は、主導権を巡る人災の面があるという特集記事が載っていた。
そういえば、先日、国会に社長が参考人招致された際、社長が「損害は生じていない」と口を滑らせてしまい、顧客軽視だと批判されていた。
では、顧客に損害が生じたとして、銀行に対して損害賠償請求ができるであろうか。
例えば、二重に預金が引き落とされたという場合に、すぐに引き落とした額が戻されているのであれば、それは損害とはいえない。
では、送金できなかったことによって、信用を失ったとか、大事な顧客を失ったという場合はどうか。
この場合、本当に信用を失ったのかということが疑問視される。
通常、送金できなかっただけで、自動的に信用や顧客を失うことはない。
相手方から、入金がない旨の連絡があるのが通常であり、そうすれば、みずほ銀行のシステム障害のためである旨を説明することも可能であったはずで、信用を失うということは考えられないからである。
また、かりに、システム障害によって送金できず、本当に信用を失ったとしても、損害額の算定は結構難しい面がある。
ということで、裁判をしても、その手間、弁護費用などを考えると、いい結果を得ることはできない可能性が高い。
しかし、最近はオンブズマン活動が活発である。 そのため、銀行の責任を明らかにするために、あえて裁判をして、銀行の過失責任を問うグループがでてくる可能性があるように思う。
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