今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年04月23日(火) 競売物件は、怖くはないが、最近はうまみも少ない

 日経14面(H14.4.23付)に、サービサーの会社の全面広告があり、その広告の中で、「不良債権を生き返らせる」「競売を中心とした担保不動産を毎月100件あまり仕入れて、それを市場競争力のある物件に再生して一般市場で販売する」と謳っていた。

 広告だからあまり目くじらを立てても仕方ないし、その会社を批判する気はまったくないが、「不良債権を生き返らせる」というのは少し大げさではないだろうかる。

 競売によっても、全額回収できるわけではなく、不良債権は残ったままだからである。


 ところで、競売物件はいまやいろんな不動産業者が手がけるようになっている。

 この前、私の知り合いの小さな不動産屋さんと、偶然裁判所で会った。
 話を聞いたら、競売物件は儲かるというので見に来たのだそうである。

 こうなると、株が高騰し、誰もが株に手を出すような状況に似ていて、競売ビジネスも、もううまみは少ないのかも知れない。


 ただ、競売物件を手がけることは難しくない。

 競売により、抵当権はすべて消えるから、権利関係もすっきりする。

 怖いのは占有者がいるときであるが、これもきちんと法律上の手続に則って淡々とやれば、大丈夫である。

 もっとも、占有者を排除するのに少し時間が掛かるので、資金的に余裕がないといけない。したがって、借入なんかで購入するのは非常に危険である。

 そういえば、昨日逮捕された検察官は、競売不動産を10件以上所有していたそうである。
 その検察官は、占有屋がいる危ない物件を、警察力を使って排除し(職権濫用である)、うまく儲けのではないだろうか。
  


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