うちの父ちゃんは、家にいるときはかなり変わったおっさんである。
(家を出れば、ふつうのおっさんかもしれないが)
土曜日の朝にあった「うちの父ちゃん、問題児?」ってお話。
ここ2ヶ月ほど、のびぃは減量中で少しばかり体重を落としたのだけど、
土曜日の朝、食事をしていると、父ちゃんは突然言い出したのだ。
「おまえ、痩せたか?」
っていうか、ついこのあいだもいったじゃん、減量中だって。
「そうか・・・」
とうちゃんはそういったきり、テレビを見ていた。
「でもさあ、ちょっと変わるだけでもいい感じやなあ」
なにが???
「いやあ、いい感じだよ」
いったいなにがやねん・・・。
でもそれっきり父ちゃんは何も言わない。
僕が仕事に出かける準備をして、ネクタイを締めていると、また背後から話しかける。
「後ろから見たら、ええ男やなあ・・・」
なんやねん!、気持ち悪いなあ、ほめることなんてないくせに・・・。
「うん、ほんまに、いい感じや」
気持ち悪いで、そんなんばっかり言うてるのって。
「さすが、父ちゃんの自信作やで!」
そこまで言われるとほんまに気持ち悪い。
だって、ほとんど何も言われることなく、放ったらかしで今まで来てるのに・・・。
そして家を出ようと玄関で靴を履いているとまたやってきた・・・。
「痩せてよかったなあ、ほんまにええで。格好良うなったわ」
だからさ、もう気味悪いからいわんでええから・・・。
「うん。さすが、父ちゃんに似てるからな、格好ええ・・・」
ええ???、もしかして、それ言うために1時間近く、意味なく褒めてたの?
奥の方で、お母ちゃんが苦笑していた。
そして壁越しに妹は「あほや、このオヤジ」ってつぶやいていたらしい。
一応、このおっさん、数十名の社員をまとめる社長なんですけどね、
こういう奇人でないと、あかんのか?
それとも社員さんたちを哀れに思うべきか???