彼があやを置いてすたすた歩いていく。
帰りの電車賃を渡すって言われ、電車乗るのを見送るのが 責任だって言う彼に、折角来たからひとりで遊んで帰るから ほっといてくれればいいって振り払った。
彼は振り返らずどんどん小さくなる。 あやはひとりたたずんでいた。
怒らせちゃった。 本当はちょっぴり彼を責めたかっただけなの。 彼を呼びとめたい。追いかけたい。 そう思ったのに、 意地っ張りなこころが それを拒む。
なんのために大変な思いをして何時間もかけて彼に会いに来たんだろう。 長い時間悩んでいたように思う。 でも実際は数分。
しびれをきらしたのは 彼だった。
あやに向ってゆっくり歩いてくる。
「もうケンカ終わりにしよう」
2人カフェに入った。
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