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コイビト
2004年08月23日(月)
夜、元コイビトが酔っぱらってやって来た。 外は霧雨で昨夜と10度も違う。
濡れて立っている。
「何やってんの?」って聞くと、 「なーんにもやってまっせーん」と答える。
ダメだこりゃ。
私は酔っぱらいがキライ。 中学の頃、深夜によく母が酔って電話をしてきた。 泣いていたり、ワケの解らない事を言っていたり…
“終わりにしよう”と言いだしたのはコイビトだし、 “ひいななんか要らない”と言ったのもコイビトだ。 入院中の出来事で、おかげで私は病棟に戻ってから騒ぎを起こした。
勝手な捨てぜりふを吐いて音信不通だったくせに、 この酔っぱらいは『私が自分を捨てたのだ』と言い出す。
私が新しい人と付き合い始めた事は知っている。 いきなりそのカレシに「今、電話しろ!」と言う。 「何か言いたい事がある筈だ」と。
貴方に言いたい事なんてないと思うよ? だってカレシにこの人の悪口なんて言った事ないもの。
愛した人の事を、悪く言う筈もない。
私達は似ている。 子供の頃、子供でいられる環境になかった事だ。 ただ違っていたのは、この人は世間に年齢不相応の虚勢を張り、 それに実をつけて実現させ、私は膝を抱えて殻に閉じこもっていた事。
お互いが相手に同じ事を求めてしまった。
何度傷つけられても、嫌う事も憎む事もできやしない。
素面では私に会いに来れない人…
携帯が何度も鳴り、見知らぬ女性の声がする。
欠けているものが同じだから、それを補ってやっていく事は難しい。 『どちらが悪いというわけではない』という言い方があるけれど、 私達の場合、『どちらも悪い』ってヤツだね、きっと…
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