「そういえばそろそろ誕生日だよね」
と携帯電話の向こうからはっきりと聞こえました。俺はどうやって返事をすれば良いんですか?21世紀型の新しい嫌がらせの手段にしては酷く俺を打ちのめして仕方がありません。もう2日前に俺のヴァンサンカンが訪れたことを悲しくもご丁寧に伝えたところ、
「日にちの感覚が最近なくって」
と実に社会人らしい返答が返ってきました。俺も早く社会人になりたい。日付の感覚を失う程に、自分の誕生日も忘れてしまう程に社会の荒波に揉まれながらパイ乙だって揉みたい。その一言に必要以上の被害妄想を駆使して更に打ちのめされて返す言葉を失っていると、
「ゴメンネ、御飯を御馳走するよ」
「御馳走するなんて言って欲しくないんだーっつの!もっと悲しくなるから止めろ」
もう限界でした。逃げ道がなくなり25歳無職独りっ子の男が思わず叫んだ言葉はこれです。俺は中2の女子じゃねえっての。マーガレットとかリボンなんか読んだことなんてないっつうの。『Boys be』を読み終わったあとにマガジンを窓の外に投げつけていたこの俺がこの有様とは何事だ。簡潔にいうと病気です。引篭る無職ってのは危険です。
俺のデスクは何処だ?
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