ねじれの位置

2003年11月09日(日) 会社帰りの出来事

確か1週間くらい前の出来事だっただろうか...

詳しくは覚えていない...


あの日、僕は仕事を終えて事務所から帰ろうと、

階段を下りて自転車のもとへと急いだ。


そして歩道の植込みの下、

犬の糞を踏んだ。


誰が悪いんじゃない。

決して誰も恨まない。

犬も、飼い主も、街の美化委員も、僕も、誰も。

あの日の僕はそんな運命だった。


自動販売機で缶コーヒーを買った。

それを飲んだ。


靴の底をそっと見てみた。

犬の糞が乾いていたのでくっついていなかった。

不幸中の幸いとでも言えば良いのだろう。


ただ、もし底にベタリとついていたとしても、

それはそれでエキサイティングな人生。

悪くはないかもしれない。

でも、革靴じゃなくてスニーカーのときの方が良い。

スニーカーなら洗えるから。


犬の糞を踏んだのなんて何年ぶりだろう...

そんなことを考えながら自転車に跨り

ペダルに足を乗せた。


走りだすその瞬間、

ふと植込みに目をやると

『犬の糞の後始末はきちんと』

正確ではないけれどこんな貼り紙が針金で括り付けてあった。


僕の踏んだのは犬の糞じゃないかもしれない...

そんなことを思った。





あの日、僕は仕事を終えて事務所から帰ろうと、

階段を下りて自転車のもとへと急いだ。


そして歩道の植込みの下、

糞を踏んだ。


犬のものか人間のものか、

それは分からない。


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恭 [MAIL]

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