父方の祖母が亡くなった。
昨日がお通夜で、今日がお葬式。
まるで父の後を追いかけていったかのようだ。
死因は聞いていない。
おばあちゃんが、父が亡くなったことを聞いていたかどうかもわからない。
老人ホームに入ってから、認知症が進んだそうで 何をどこまで理解できていたかもわからない。
でもなんとなく、おばあちゃんは父のことをわかってたような気がする。
一人ぼっちで逝ってしまった不憫な父を、おばあちゃんが 放っておかなかったんじゃないかと思う。
母親と乳飲み子は離れたところにいても、母親のおっぱいがしくしく 痛み出す頃、赤ちゃんも泣いているものなんだそうだ。
母と子って理屈じゃなくつながっているんだよね。
生後一ヶ月の赤ちゃんを抱えた私は、やむなく葬儀に 行くことができなかった。
人間の別れってあっけないものだ。
おばあちゃんにも本当にお世話になった。
おばあちゃんの料理する煮物は本当に甘くてやさしい味がした。
なんであんないい人が、うちの母のせいで辛く苦しい思いを しなくてはならなかったのか本当に悔やまれる。
私が何度も忠告して止めたのに、終始聞く耳を持ってくれなかった父にも 今更ながら憤りすら感じる。
でももう全てはあとの祭り。
もう二人とも、記憶の中でしか生きていないのだから。
きっと今頃お父さんは、
心穏やかに親孝行していることだろう。
・・わが娘はすくすくと育っている。
最近、少しずつ笑ってくれるようにもなってきた。
疲れ果てた私の顔が、彼女の澄んだ瞳にくっきりと映っている。
どん底の年に生まれてきてくれた私の希望。
ありがとうありがとう。
お母さん、
少しずつ元気になるからね。
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