鉛色の空の下 冷たい雨に打たれ
自分の存在意義を 見失いそうになる
結局誰も信じてくれない気がして 結局誰も信じてなくて
結局誰も必要としてくれなくて
もう元気なフリも楽しいフリをするのも疲れ果てた
田舎の白つぽい道ばたで、つかれた馬のこころが
ひからびた日向の草をみつめてゐる
ななめに、しのしのとほそくもえる
ふるへるさびしい草をみつめる
田舎のさびしい日向に立つて
おまへはなにを視てゐるのか
ふるへる、わたしの孤獨のたましひよ
このほこりつぽい風景の顔に
うすく涙がながれてゐる
『孤獨』 萩原朔太郎
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