暗い、誰もいない家に帰る。紺い花が部屋でそっと息づいている。窓の外はささやかな夜景。最近、夜を、とてもいとおしいとおもう。仕事を終えて、電車に揺られて、駅から歩いて家に帰る。そこから眠りに落ちるまでの時間をとてもいとおしいとおもう。友人と飲んだり、電話で笑ったり、メールで想いあったり。私が私であることにすこし幸せだとおもえる。そうして、日記を書く。短い、短い時間。その刹那に憧れながらいちにちをやり過ごす。たいせつな、よる。