半年振りに神戸にいった。 北野の細くてキツイ坂道をひとりで黙々と歩いた。 あちこちに私好みの古きよき建物が、 鬱蒼とした樹木や高い塀の向こうに潜んでいる。
のんびり友人と歩くのもわるくないけれど、 観光地然とした鮮やかな建物より、 荒れた庭の向こうで蔦にからみつかれた二階家や、 崩れかけた塀や、古びた玄関先の装飾なんかが気になって仕方がない。
みんなを引っ張りまわすのは気が引ける。 こういう本物の歴史を積もらせた街で、 嘘をつくのはよくない。 いろんなことを誤魔化す努力はいらない。 真実をきっちりとみつめてあるきたい。
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