最高気温24度。 朝の天気予報ですっかり気分だけは夏になってしまった。 Tシャツにジーンズ、 足元はコンバースというご機嫌ないでたちでいざ出勤。
三階から軽やかに階段を駆け下りて、第一の失敗。 雨上がりのひんやりとした空気が半袖の腕をさっと包む。 一枚はおってくればよかった! 後悔するが戻ればいつもの電車に乗れる保証はない。
一気に走って最初の角を曲がる。 鞄の中に手を突っ込んで、定期入れと財布の確認。 うん、ちゃんとある。 あれ?ない、ない!私のケータイ!
そこからはほんと気もそぞろ。 朝の満員電車で考えて送るメールも、 お昼休みの唯一のたのしみも、 仕事がんばったごほうび、 ひとりきりエレベーターに乗った瞬間確認する新着メールも。 みんなおあずけ。
たったこれだけのことが、世界の色までかえてしまう。 不思議。
そういう驚きや発見を繰り返しながら、 私は週末へ向かって全速力で駆けてゆく。
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