畳の上で大の字に寝転ぶ。 からだ中の総てのちからを抜く。 砂地に吸い込まれる水のように、 自分の体重と、今日一日が、 沁みこんでゆく。
密度の濃い初夏の陽射し。 ざわざわと揺れる深緑の葉。 夕暮れの草むらに騒ぐ夏の虫。
うさうさのはしってくる足音。 髪の匂いをかいでいる。 さくっ。 こらこら、 それは私の髪の毛。食べちゃだめ。
ひょいと抱き上げてお腹の上に乗っける。 うさうさが、 鼻をぴすぴす鳴らして胸の上、 私の顔の前まで甘えてよってくる。 ここちのよい重さ。 きもちのよいあたたかさ。 おでこを撫でる。 うさうさは目を細める。
うさうさを、甘えさせる私。 その全面的信頼。あたたかい鼓動。 うさうさを、包んでいるつもりの私は、 実は、うさうさに抱きしめられている。 うさうさに、甘えさせてもらっている。 うさうさに甘えている。
少し照れくさい。 たいせつに抱きしめて、 すとんと眠りに落ちてゆく
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