新しい職場2日目。 先週より30分のんびりできる遅い朝。 繰り返される単純作業。 刻々と過ぎる時間。
道路を隔ててすぐに、 小さな川が流れています。 土手は背の高い草が青々と、 夏の匂いを漂わせています。
今日の、 あの夕立はそんな風景の事務所で過ごしていました。 もちろん窓の外なんか見ていられません。 背後に迫る妙に暗い明かりと、 雨の地面を叩く音に、 そっと気持ちを寄せているだけ。
そこに響く、雷。
空気はのったりと重く、 気温は払っても肌にまとわりつくように苦しい。
それでも、 そんな音に耳を傾けて、 私は少し爽快な気持ちになった。 カサカサと、 単調に紙をめくり続けながら、 遠い夏の記憶を辿った。 花火を見に行きたい、と思った。
夏が、 待ち望んでいた夏がやっと目の前にやってきたのだ。
30分の残業を終えて事務所の外にでると、 半分が雨雲、 半分が透明な空。 白く小さい雲に、 夕陽の残りがオレンジ色に映っている。 濃い緑色の草が 夏の雫に逆さまに映っている。
宵が、 ゆっくりせまっている。
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