夕方の坂道をゆるゆると登って家に帰った。 もう、夕陽は落ちていて、 空に明るさだけがあたたかく残っていた。
窓を全部開け放って風を通し 適当に夕食を作ってひとりで食べ、 デザートのりんごはうさうさと分け合い、 洗濯機をごうんごうん回す。 TVがいつのまにかニュースからバラエティーにかわっている。
眠気がそっと打ち寄せてくる。 気付けは外は夜だ。 昼間とはうってかわって涼やかな風が揺れている。
静かな夜。 私には、 さみしいものだけがそっと寄り添ってくる。
私にちかいもの。 私と手をつなぐもの。 私の手に入れた自由。 そのすべて。
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