午前中は雑務をこなして、 午後は総合研究所の部長と若手研究員の取材。 相変わらずものすごく緊張して、 悪いことしか頭に浮かんでこなくて、 ストレスに息切れしていた。
それでも私がたったひとつ偉いと思えるところは、 決して相手にそういう自分をみせないこと。 これはもう鉄則。 びくびくしながらインタビューされても、 答える気にはなれないからね。 笑顔。 肯定とあいづち。 明るいトーンで言葉を発すること。 あきさせないような会話。 自分から、懐をひらくこと。 他にもなにかあるかもしれない。 だけどいつも反射的にそうしてるから、 本当のところは良くわからない。
仕事も遊びもそれ以外も、 相手に愛されながらすることは大抵上手くいく。 いつだってそうだ。 逆に、 嫌われながら、反感をもたれながら、疑われながら、 あるいは全く無視されながら、 一緒に何かを創りあげるのはとてもむつかしい。 当たり前のことすら当たり前にできない。
初めてのひとと話をするのはとてもどきどきする。 だけど決して怯えたところは見せない。 ただ、その人のことを信じる。 ただ、好きになる。 一生懸命話を聞く。 笑顔でいる。 決して、疑わない。 何もかもを受け入れる。
インタビューはとても和やかに、 気持ちよく終わった。 最後にお茶をごちそうになって、 笑って別れた。
家に帰って、 けれど、 どっと疲れた。
はじめてのひとに愛されようと思うのはとても疲れる。
疲れないで、 ひとに愛されることは私にはできないのだろうか? せめて身近な人々には、 嘘も無理もなく、 ただ愛されることはできないのだろうか? このままで認めてもらえないのだろうか? ありのままを信じてもらえないのだろうか?
この願いは、 まちがっているのだろうか?
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