たまの日々

2003年03月24日(月) ときどき、春

陽あたりの良い、北風を建物でさえぎられた、
守られたソメイヨシノは、
穏やかにひとひら、ふたひらと花弁をほころばせている。

長かった冬も、ようやく終わろうとしている。

一年前、
長く続けた派遣先を退職した。
その頃の冬の寒さが、
いつまでも身体の底につめたくよどんで、
消えなかった。
ずっと、冬のままだった。

そういえば去年は、
風邪をひいて満足に花見もできなかったっけ。
それ以上に、
気持ちが風邪をひいていて、
どんなに美しい景色も楽しい時間も、
ビー玉のむこうみたいにつめたく遠くちいさかった。

春も夏も秋も冬も。
現実感のないまま過ぎ去った。

温かみを失えば、
そのあたたかさをなつかしく、いとしくおもう。
失う程に、痛い程に、理解る。
その、大切さ。

そして、何も残っていない。
それでも、
何も、うしないたくない、
とおもう私の気持ち。

それでも、
今は、
そんな気持ちを少し預けて、
週末には桜をみにいこう。
やっとここまでこられた。

そして、ときどき、春。


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