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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2007年09月19日(水)
Vol.701 駐車場の朝顔

おはようございます。りょうちんです。

4月におこなわれた選挙の投票に行った時、帰り際にもらってきた朝顔の種。我が家のベランダはすでに他の家庭菜園で満席の状態なので、どこか別の場所で育てられないかと考えていた。そこで目をつけたのが、店の駐車場。ここなら日当たりは文句ないし、フェンスがあるので育ちゆく朝顔のツルが絡んでちょうど良い。俺は即席の鉢をいくつか作り、そこに家庭菜園であまっていた土と肥料を入れて、駐車場の片隅に朝顔の種を蒔いた。
すぐに芽を出した朝顔は順調に育ち、日に日に大きくなった。朝顔を育てるのは小学生の時以来だ。おいしい果実が実らないものなんて育ててもつまらないと思っていたのに、けなげに成長していく朝顔を見ているとだんだん愛しくなってきたから不思議だ。やがてまだ夏がやってくる前の6月の終わりの梅雨空の下で、最初の花を咲かせた。そしてそれからは毎日淡いピンクや濃い紫などいろんな色の花をいくつも咲かせて、俺らの目を楽しませてくれた。俺の予想以上に伸びていくツルはフェンスを越え、さらに太陽に向かって行き場を探しているようだった。
あと数日後にはもう俺はこの店にいないなんて、切羽詰った今になっても全然実感が湧かない。片付けとか整理とかやらなくちゃならないことは山ほどあるのに、いつもと同じ気持ちで仕事をする俺がいる。駐車場の朝顔は9月になっても相変わらず毎日いくつも花を咲かせ、まだ夏の衰えを知らないでいる。それは最後まで手を抜かずにがんばれと俺に言っているようで、なんだか勇気づけられるのだ。
はじめの頃に咲いた花はもうしっかり種になり、十数粒ほど蒔いた種は季節を越えて両手ですくい切れないほどの量に増えた。一緒に仕事をしてきたみんなとは永遠の別れじゃないけれど、サヨナラをする前に俺はこの朝顔の種を配りたいと思っている。いつかどこかでこの朝顔が芽を出し、今と同じきれいな花が咲いたら。その時は、俺と一緒に仕事をした日々を思い出してほしいと思う。
残り時間はあとわずか。朝顔に笑われないよう、最後までがんばらなくちゃね。