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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2009年07月04日(土)
Vol.749 母の勘違い

おはようございます。りょうちんです。

最近でこそ風当たりは以前ほど強くなくなったが。何年か前までは、母から「お前はまだ結婚しないのか?」というような質問をよくされていた。俺の年齢もまだ30代に入ったばかりだったし、正直ちゃんと質問に答えるのすら面倒だったので、適当に上手くかわしていたつもりだったのだが。弟の結婚が先に決まり初孫が誕生することがわかっても、母はずっと俺の結婚を気にかけていたようだ。
去年の12月、母が検査入院をした時。母の付き添いで病室を訪れた俺は、何度か母とふたりきりで話をする時間があった。ある時、母は久しぶりに「お前はまだ結婚しないのか?」という質問をためらうように投げかけた。俺はあまりに突然で驚いてしまったが、母は静かに話を続けた。「お前が結婚しない理由は、私のせいなんじゃない?」、と。
母は、昔から気の強い女だった。口も達者で負けず嫌いで白黒はっきりしないと気が済まない性格だ。そんなだから、長男である俺の選んだ人が、自分のせいで辛い思いをするかもしれない。それを懸念して俺がなかなか結婚しないと、母は長らく思っていたらしい。
「違うよ、違う。それは考え過ぎだよ。俺が結婚しないのは、そんな理由なんかじゃない。そもそも結婚してなくても、今の俺は十分に幸せだし。結婚することになっても、もっと気が強くて口が達者な人を連れてくるから心配いらないよ!」。そう言って、母の勘違いに必死で俺は弁明をした。しかし、結局最後まで俺が結婚をしない本当の理由を母には告げられなかった。母は「それならいいんだけどね…」と口では言っていたものの、やっぱり納得しているようには見えなかった。
いつか近い将来、俺が結婚をしない本当の理由を母に話そうと思う。ひょっとすると、勘の良い母はうすうす感づいているかもしれないが。それでも事実を話した時はきっと驚くに違いないが、俺が結婚しないのは母のせいだという勘違いを、やっぱりどうしても気づかせてあげたいのだ。