猫の足跡
一覧|過去へ|未来へ
2002年07月13日(土) |
総移動距離260キロ |
朝7時起床。さすがに栃木県某所は平地でも涼しくて、さわやかな目覚めです。でも、地元の人にはそのありがたみは全く分からないんですね。「でも、暑い日はつらいよー」と言われてしまいましたが、アパートにエアコンなしで死なずに住めるだけすごいんだけどなあ。
駅で当日参加の男性2人を拾って、山荘までドライブ。30キロの道程を30分で行く計画はちと無謀だったか、70〜80キロで飛ばしてもちょい遅刻。レンタカーはリッターのデュエットだったのですが、走らない・曲がらない・止まらない…。3人乗って山道だとべたべたに踏んでやっと70キロ。タイヤが細くて小さいからコーナーのふんばりがきかないしブレーキのかかりは悪いし。まあ、1日借りて5000円強だからしょうがないのですけど(駅から山荘までタクシーだと片道6000円強だもの、非常にお得)。
山荘では非常に不毛なブレインストーミング。 今後の事業展開についての話なんだけれど、顧客のセグメントや採算面でのデータなしに、顧客満足だの今後の企画の在り方だの話しても単なる机上の空論かイメージ論でおしまい。予定があるからとさっさと抜ける算段しといてよかったわー。
午後2時40分に山荘を出て、駅に向かいました。3時28分の新幹線に乗るからレンタカーの返却しても楽勝だろうと思っていたら大間違い。はみ出し禁止のイエローラインが延々と続く山道で、次からつぎへと超安全運転の地元おじいちゃんドライバーにでっくわし、40〜50キロペースで走ること数十分。ひえー、間に合わないよお。と、誰もいなくなると90〜100キロペースに上げて、つかまりませんように、事故しませんようにと祈りながらダッシュをかけたのですが、駅周辺まできたら既に3時15分。こりゃだめだとレンタカー屋さんに「スタンドに寄れないので、お金で精算してください」と電話をかけて、アクセル全開。きっと地元の人は「レンタカーの人はせっかちだなあ」と思ったことでしょう。ごめんなさい。
必死でレンタカー屋に到着したら、担当のおねぇちゃんが外で待っててくれました。「親切ないい子だなー」と思ったら、何の事はない「すみませんっ!免許証お返しするの忘れてまして!ガス代サービスさせていただきますっ!」
うーん、つまり私はこの2日間免許証不携帯で無謀運転してたわけか…。苦笑いしつつ「お互い無事でよかったねー」と別れましたが、ホント事故や違反でつかまっていなくてよかったです。
実家まで2時間30分。そして今度は実家近辺の文化会館でバレエ鑑賞。
「レニングラード国立バレエ 華麗なるクラシックバレエ・ハイライト ゲスト草刈民代」
白鳥第2幕グラン・アダージョ、眠り、ドン・キ、くるみ割り、海賊とグラン・パのオン・パレード。ガラ・コンってこういうものだけれど、コンクールのようだわ。
ワガノワ・メソッドで鍛えられたダンサーばかりの演技はさすがにすばらしい水準で、一部調子の悪いダンサーも見られたものの技術力の高さを見せ付けられました。いわゆる「名場面集」なので当然ではありますすが、物語性よりも踊りの技術で見せるスタイルで、なかなか迫力がありました。
ちょっと舞台に近すぎたのか、舞台が小さかったのか、特にコール・ドがたくさん出てくる場面など、やや窮屈で足音が生々しい印象もありましたが、これはしかたないかな。でも、コール・ドみんなきれい。あの脚ってば…。
よかったのは、「春の水」「くるみ」を踊ったエフセーエワ。「若さと愛らしさと、高い表現力と技術力で10年にひとりの逸材と言われている」とプログラムに書いてありましたが、まさにその通りフレッシュな魅力でした。くるみなんて、ホントにはまり役! それから、「ドン・キ」のバジルと「眠り」の青い鳥を踊ったミハリョフ。パートナー、クチュルクの調子が悪くてバランスのサポートで今ひとつ息の合わないところがあったけれど、バリエーションは圧巻のひとこと。ピシッ、ピシッと決めポーズがかっこいいキレのある踊りで、引き込まれました。
「ジゼル」のタイトルロール、ロマチェンコワはちょっと生硬で気品のある演技でした。この人が1幕の村娘ジゼルをどう演ずるのかも見てみたい気がします。
「瀕死」「眠り」のオーロラ姫は、よかったんだけれど印象が薄いかも。
作品でよかったのは、「スポーツのワルツ」。 初見だったのですが、スポーツをする男性二人の踊りで、楽しい内容であると同時に、男性二人が自らのテクニックを競い合って観客を魅了する、その名のとおりバレエの「スポーツ」性も見せるものでした。 これは、若手のダンサーに色々組んで踊ってもらいたいなーと妄想が広がってしまいます。
残念だったのは「海賊」 まず、女性が太りすぎ。胸板の厚さがハンパじゃない。リフトされると胸がプルンプルン揺れるプリマドンナなんて聞いたことがないわっ!あと5キロ痩せないと、本拠地での冬公演ではクビになっちゃうよ〜。 男性もさすがに重かったようで、リフトでは腕がふるふる…。最初のリフトのときは、ちょっとタイミングが悪くてバランス崩したのかな。と思ったのですが、2度目も同じだったのでやはりつらかったのでしょう。「お前、重いんだよ。もっと痩せろよ」とかきっと喧嘩してるな。これは。 男性も「海賊」は頭の中にルジマートフなどの圧倒的な切れ味を求めてしまうので、ちょっと線の細いやわらかい踊りでイメージ違いでした。
さて、我が同胞、草刈民代の演技はなかなかでした。繊細な表現力があってロシア人のダンサーとは一味違うところを見せていたのは良かったです。パキータでは、コール・ドのダンサーが皆、顔を観客席に向けながら視線はプリマから決して離さず、食い入るように見ていたのが印象的でした。みんなプロですからね、厳しい世界です。 ただ、やっぱりロシア人のダンサーとは根本的な体のつくりが違うんですかねぇ。あの、草刈民代の顔が平べったくて大きいんですよ!これはつらかった。 なぜか彼女だけモダンが2作品+パキータだったので、どうしてかなー、レニングラード側が十八番を外人に取られるのを嫌がったのかしら?と思っていたのですが、こういうわけ(他のダンサーと並ぶとつらいから)で草刈サイドからの要請だったのかと納得。くー。人種の壁を乗り越えるのは不可能なのでしょうか?
さて、地元のホールは車で乗り付けられるのがうれしいです…が、田舎なのでその後食事するところがないのが難点。仕方ないのでファミレスで済ませましたが、ホント郊外って大人の文化がないのよね…。 で、Tちゃんからもらったカスピ海ヨーグルト。もてあます前にT嬢に押し付けてしまいました。ごめんねー。いらなかったら捨ててください、ってここで言ってもしょうがないんですけど(笑)。
|