カナダで氷山ハンターをする石澤に、最愛の姉の突然の訃報が届く。帰国後、姉の息子が誘拐される。石澤は甥の解放の条件として、ある仕事を命じられる。そのころ、現総理の元にはポセイドンを名乗るテロリストからの脅迫状が届いていた。犯罪と犯罪が絡み合い、男たちの愛と憎しみが犯罪の上で交差する。 雑誌連載作品、待望の単行本化。 3日間がとてもテンポよく展開していきます。 絡んでくる人間も多いし、人間関係も絡まってるけど、話の流れに乗ってがんがん読めてしまう。 相変わらず、魅力的なキャラクタばっかりなのも、読み始めたら止められない要因。 五條氏のキャラクタは、脇も(が?)かなり強力。マヤさんといい、ツバメとガチョウの双子ちゃんといい、ステキです。 それにしても人をこんな犯罪に駆り立ててしまう、愛ゆえの嫉妬。きょうだい間の愛情って、こんなにも嫉妬の対象になるものなんですかね…。怖いです。
「――俺は人は撃たない。氷山しか撃てないんだ」
五條瑛:熱氷,p.440,講談社.
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