『たけぐせの随・弐』
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ある価値のために自己否定した、というのであれば、 行きくれてそれほど困るわけはないだろう
ー立原正秋『紬の里』より抜粋
その価値に感化される自分があるということは、 この自己否定は、その変化した自分の肯定となるのだろうか。 その価値がすっきりと浸透しないかぎりは 否定の観念はずっと消えずに行きくれることだろう。
事実、 自己否定をしてしまうほどに 惹かれる価値というものはあることでしょう。
そしてそのとき、 行きくれることの方を選択することもあるのでしょう。
ないものねだりか、 成長か。
価値以前に芯があればいいのか。 ならば、やわらかく在れば、 困ることはない。
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