 薬師アルジャン(山下友美) 秋田書店
「エロイカより愛をこめて」の外伝&ファンブック目当てに去年の12月に買ったプリンセスGOLDですが、エロイカだけ読んで放置してっぱなしだったけど、先日暇な時間に他のマンガも読んでみたすた。 で、一番気に入ったのがこのマンガ。 作者さんは白泉社で書いてる頃から知ってたけど、10年くらい見ないうちに絵とか大分変わりましたね(って当たり前か)。 藤田貴美さんとの共作「花と狼の帝国」なんかが記憶に残ってますが、この作品に関しては、暴走した一部のファンのせいで大変な事になり漫画家生命も危うかったそうですが、こうして作品を描き続けられて誠に良かった。 (この件に関しては昔の事でもあり、詳細はネットでググってくれい)
能書きは置いといて、内容が気になったので、とりあえずコミックスの1〜4巻まで買ってみた。 中世ヨーロッパ風の架空の世界が舞台。 ベアゾル王国の王女プリムラと、少年の頃王女の毒見役をしていたアルジャンが主人公。 ある事件がきっかけでアルジャンはプリムラからヒマを出されるけど、大人になったアルジャンが薬師になって戻ってきて、再び王女に仕える事になり、二人の前に色んな事件や陰謀が起こる波乱万丈な物語。
一見地味で手堅いけど、物語がしっかりしていて楽しかったです。 それから少女漫画の王道のとおり、姫とアルジャンは互いに惹かれあってるけど、絶対結ばれる事のない事情があるのだ。 身分の差なんて当たり前のもんじゃないのです。ネタバレになるので反転して読んでね。 アルジャンは実は「バジリスク」と呼ばれる種の人間で、全身毒だらけ。バジリスクってのはどこかの犯罪集団みたいな所が暗殺用に開発した人間で、幼い頃から毒を与えられ、毒に耐性をつけ、且つ、自身の体も毒と化し、バジリスクと交わればその相手は即死、触れた物は怪我をするというとんでもない化け物なのだ。 昨今の少女漫画のカップルはすぐに結ばれちゃって、挙句の果てに野獣の如くなんってーのは当たり前なので、逆にこのもどかしさが切なくてたまらんのです。 やっぱ読んでて楽しいのは結ばれちった後でなく、結ばれるまでの過程なんだよね、とは友人ともよく語り合う事なんだが…。BLも然り。 オラの雄たけびはどうでもいいのだが、敢えてこういった設定を考えた山下先生の勝利だと思ふ。
実は山下先生は薬剤師なのでしたのね、なので、自分の知識に基づいた薬学の知識も散りばめられた内容になってます。 でも悪用しちゃダメだよ(笑)。 あと、オラのツポったのがアルジャンの容姿ね。 長髪、細腰…!!!! ヒロインのプリムラ姫よりも美形です。 姫はブスじゃないけど、美形でもないです。可愛いけど地味って感じ。 16日には9巻が出たようで、こりは息の長いシリーズになってますね。 アニメ化してもいけるんじゃないの? 今月はちょっと本を買いすぎたので、来月以降、気が向いたら続きを買おうかな。
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