月のシズク
mamico



 朝の遠足列車

いつも通りの時刻。
吉祥寺発の急行に乗るためにホームで電車の到着を待っていた。
いつも通り8時54分、電車は何気ない顔でホームにつるつると滑り込む。
でもいつも通りでなかったのは、その電車の乗客たち。

そろいの青色の帽子をかぶった小学生が、リュックをかついで
わいわいとドアが開くのを待っている。いつもの顔ぶれの乗客たちは、
ちょっと苦笑しながら、でもちょっと嬉しそうに彼らの後ろに控えている。

プシューとドアがあくと、子供特有の甲高い声があふれ出す。
あいにくの曇り空だけれど、君たちは今日、井の頭動物園に行くのかな?

子供たちはホームできちんと2列に整列をして、
改札をくぐって光の中へ消えていった。



2001年04月24日(火)
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