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■ Discrimination
連日の報道でご存知の方も多いと思うが、ハンセン病患者が起こした訴訟で 国が敗訴した。私たちの目に付かない場所に追いやられた人々が、 やっと白日の元に帰ってくることができた。 お気づきですか、この一件が含んでいた重大な差別を。
日本における人種隔離政策がひそやかに現在まで行われていたこと。 ハンセン病患者の感染を防止するため、種の絶滅を強制されていたこと。 そして、平等に造られたはずの人間の尊厳も奪われたこと。 個人のすべてを取り去られたということ。
ある意味、ナチのホロコーストとなんら変わりはない。 病気が感染すると疑われたのが原因なのだが、それがすべてではないはずだ。 顔が崩れ、指先や足先がもげてしまうことへの恐怖。 「恐怖」が感染して差別を産み、個人の意志も生命もすべてが揉み消されたのだ。
「これでやっと家族に会えます」と収容先の病院で語っていた患者が笑っていた。 いわれもないレッテルを貼られた人々が、今後どうやって立ち上がってゆくのかを 見守っていきたい。
2001年05月24日(木)
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