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■ 赤い皮の腕輪
天気が良いので男トモダチを誘って買い物に出る。 とはいえ、私は特に必要なものもなく、休日の街(ジャズ・フェスティバル 開催中の吉祥寺!)をぷらぷら歩き、電器屋であれこれ物色したかっただけだ。
「何か必要なものある?どこか行きたいお店は?」 と尋ねると、「服。薄手のジャケットが欲しい」と即答が飛んできた。 彼が片っ端からショップに入って調査している間、私は店の外のベンチに座って ぼんやりと道行く人を眺める。散歩中の犬に遊んでもらう。初夏の日差しを浴びる。
室内に入ってモノを見る気になれなかったのだ。ぜんぜん。 それより、外の新鮮で陽気で幸福な空気を吸って、空や緑や音を眺めていたかった。 おそらく、私はまだ「八重山病」を患っている(苦笑)
しかし、この男はいつも情熱をかけて買い物をする。 馴染みの店をすべてチェックして、何度も袖を通して、ディテールを観察して、 本当に自分が納得する品に出会うまで、財布を開くことはない。徹底している。 私はそんな彼の情熱的な買い物にいつも感心する。
結局、TAKEO KIKUCHIでカーキがかったグレイのコットン・ジャケットを選んだ。 もちろん、そのジャケットは骨格のしっかりとした彼によく似合った。 そしてなぜか、私はその男性衣料品店で、赤い皮の腕輪を買ってしまった。 深い意味はない。ただの気まぐれ、だと思って欲しい。
2002年05月04日(土)
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