月のシズク
mamico



 住民票コード通知票

ポストをのぞくと市役所から<<親展>>と書かれた封書が一通。
やっぱり本当に届くんだ、となかば諦め気味に手に取り、ミシン目をぴりぴりと破る。
氏名、生年月日、性別、そして11桁の住民票コード番号。
そっけない。ま、こういう書面がデコラティブに飾られていても困るが。

そこでふと思い出してしまった。
昔見た悪夢を、まざまざと思い出してしまった。フラッシュバック?
「間引かれる国民」(「わらう月」の「休日の風景」2001年1月17日のコンテンツに飛びます)
ある日、役所と名の付くところから茶いろの封筒が届けられ、死の宣告をされる。
国民はその司令を受諾せしめられる法律により、死へ向かう選別を受ける。
「近い将来に起こるであろうシステムを予期したのか・・・」という一文が、
生気を持って迫ってきたように思える。なんという夢をみていたのだろう。

これで「武力攻撃事態対処関連三法案」が成立なんぞしようものなら、
私の夢は正夢になる可能性もある。つまり「自治体が住居および存在を不要と
みなした故に、汝は速やかに処理させらるる」などという通知が届かないとも
限らない。ちょっとこれは乱暴で飛躍したコメントですけれど。

行政のシステム化はいずれ成されることだろう。
ただし、この国家は思い切りは悪くないが、緊急の対処法にとことん弱い。
おまけに、自らの言語に振り回されて、意味が文面を滑ってしまう傾向にある。
つまりだ。皆、理解できとらんのだよ。法律もシステムも、そしてオノレ自身も。

これ以上、悪夢が叶えられることがありませんように。
さりげなく祈る今日という日は、ヒロシマに原爆が投下された日だった。


2002年08月06日(火)
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