タメイキ - 2004年08月12日(木)
ふと思い出した。 あの頃、手を引かれよくデパートに連れて行ってもらった。 姿が見えないと不安で、ただひたすら手を離せずにいた。
思えば、身を引き裂かれる思いで最愛の娘二人を手放し、 残った私に全て託して生きてきたんだろう。 私と彼女は+と-のように正反対の性格。 その二人が今、同じ屋根の下で あの頃のように手を繋ぐなんて事は有り得ない。 昨日も今日も… いつからか…もう何年も私は彼女に全てを否定されて生きてきた。 それでも歩み寄り思う事で何かが変わると淡い期待を捨て切れなかった。 相手を変える事は不可能といつしか気付き、なら、自分が変わらねばと。 嫌な事は、そのうち忘れるんだって思い詰めてても仕方ないんだって。
幻想だったな。
なんだかんだいっても、思っても他人ならまだしも、 同じ血が流れていて変わるわけがないんだ。
ひょっとして… いつか…
なんて思ってた自分がバカみたいだ。 こんなはずじゃなかったって憤りを感じてたって、何も変わらないんだ。 バカみたい。 生まれた時から、あの人達と比べられて、 元々、望みを持つ事も夢をみる事も許されてはこなかった。 小さな子供の浅はかな考え。
今頃、気付くなんてバカみたい。 くだらないものに望みを託してた自分がバカみたい。
変わらないんだ。 二人の身代わりでしかなかったんだ。 生まれてきた事にありがとうと、感謝だけは無くしたくなかった。 繰り返す毎日。
東京大空襲、モデル、写真家、専業主婦、キャリアウーマン。 プライドの固まり。 一歩たりとも譲らない彼女をそれでも気の毒だと思い、 耳を傾けていかなければならないのが情けなくてバカみたい。
なんの為の人生か。
誰の為の人生か。
戻らないものは、もう戻らない。
・・・バカミタイ・・・
アイナンテ イラナイ
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