DiaryINDEXpastwill


2003年03月31日(月) 発想と理論の距離

『思考や発想の道筋は、それ以前に存在している。理論なんて、つまりは、ただのコンクリート舗装か、ガードレールみたいなものに過ぎない。あとから来る人のために、走りやすくする、という役目をしているだけなんだ』(森博嗣『今はもうない』)

ある手法を学んで、それが見事にある問題を解決できるとする。確かにその手法は便利だし、それを学んだ後は他の様々な問題への拡張を試みることになるだろう。でも、本当にそれでいいのだろうか。もっと他のアプローチがありはしないか。誰かが考えた手法をありがたがり使用するだけで、新しい何かが産み出せるのか? とはいっても、先達の手法を学ばないというわけにはいかない。もしも一からすべてを自分で構築しようとすると、全く時間が足りないからだ。有用な知識は活用するが、それらに対して盲目的にならないように心がけることが大事となる。でもそれは言葉で書くほどに簡単ではない。自分オリジナルの手法なんて、思いつくだけでも大変だし、たとえ思いついても、よほどの確信なり確証なりがなければなかなか発表できない。

そして、現状は、必要な先達の知識を吸収するだけでも手一杯なのだ。
早くそこから先へ進みたい。


sora |MAIL