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2004年11月03日(水) 幸せについて本気出して考えてみたら

悪くない、ということが、
良いとは限らない、
ましてや最良とはいえないことは、
当然ながら附記しておくべき事柄だろう。

どうしてその道を選びたいのか、
その動機を少し上から見渡してみたら、
実はその道でなくてもいいと気付くこともある。
もっと別のやり方があると。
逆にその道でなければならないと確信すれば、
そのまま進めば良い。
でもたいてい、答えは0か1では出ない。
もし出たとしたら、
それはほとんどの場合、
思い込んでいるだけだろう。
他の道を見ようとしていない。


道が一本あれば、行く手は自然にその一つに決まる。
選択する機会が失われる。
その不自由さに、人は安堵して、歩み続けるだろう。
立ち尽くすよりも歩く方が楽だからだ。
そして、その歩かされている営みを「意志」だと思い込み、
その楽さ加減を、「幸せ」だと錯覚する。
(森博嗣『恋恋蓮歩の演習』)


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