「お、なかなか似合うじゃねーか。俺ほどはかっこよくねぇけどよ。」 ゼノはその言葉をかけられた主を恐る恐る振り返りながら言った。 「サイズはちょうどいいよね。ちょうど同じくらいでよかった」 「ホームズ・・・くせーぞ。この服。」 「お前のもかわらんわ!非常事態に文句をつべこべ言うな。あとは髪だな。・・・そうだな、これでも巻いてろ。」 そういいながら。赤いマントを投げる。シゲンはやれやれ、とあきらめ顔をしながらそれを受け取りながら言葉を返す。 「おまえも何かに巻いておいたほうがいいかもな。」 「そうだー、あたしがこの前買っておいた帽子はどう〜?」 ユニはいそいそと帽子を取り出す。非常事態時を楽しんでいるようにも見れる。 「だーーーっ。サイズがあわんっ!!!」 何を当たり前のことをと言わんばかりにゼノは自分のマントを脱いだ。 「当たり前だよ、ユニの帽子が破けちゃうじゃないか・・・。こっちのほうがいいと思うよ。」 「おう。とりあえずこれで準備はできたな。じゃ、さっき話したとおり、俺達は船を確保する。シゲンたちはいったん領主館へいって回収できる兵達を港へ行くようよう指示してくれ。できるかぎりでいい。」 「ああ、わかった。夕刻までには勝負をつけたいとこだな。」 「そうだな、いや、もっと早く確保するつもりでいる。だから、お前らも回れるだけ回ったらすぐ引き返せ。」 ゼノやユニはどんどんと進んでいく話に唖然としかけた。 ゼノはあわてて会話に入り込む。 「ホームズ、あの、船がもし取られてたらどうするの・・・?」 「そんなもの取り返せばいいだろう。今なら敵もそう大していねえし」 ユニもおそるおそる言った。 「もし、街で戦闘になったらどうするのー。」 「そりゃ、やるしかないだろうな。ま、さっきこの街の入りがけに1隊相手してきたがたいしたことなかったぜ。これから来る増援がどの程度かわからんがその前に、動いてしまえばいいさ」
この二人はどこかがにている------。 ゼノとユニは言葉にしていないが同時にそう思った。
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