ふうこの英国留学日記-その後

2002年04月13日(土) ミラクルその1

朝もゆっくり8時過ぎに起きる、風邪気味で寝汗をかいたので、9時からシャワーを浴び、10時から日記を書き、12時にサンタ・マリア・フォルモーザの広場でHさんと会う約束をしていたので、11時過ぎに出かける。熱っぽいせいかなんだか頭がぼおっとしていてつらい。天気が悪く、寒かったらHさんとの約束もキャンセルさせてもらおうかと思っていたが、ひさびさの晴天に誘われて外に出たような感じ。
ヴァポレットでサン・マルコ広場に着くと、アクア・アルタ(海面上昇)により、広場は水浸し。海に近いあたりは板を渡した歩道の上しか歩くことができず、広場は大混乱。広場を抜けるのが距離的には近道と思ったが諦めて、他の道から待ち合わせの広場に向かったら少し遅れてしまった。Hさんとは無事に会えたが、私が約束を間違えたのではと心配されてしまった。
私が風邪気味で喉のいたみと熱っぽさを訴えると、彼女もこのところの冷え込みで同じように、喉をやられたという。一緒に薬やへ行って、イタリア語の通訳をしてもらって風邪薬を買う。昨日買ったトローチはめちゃめちゃまずい(舌がびりびりしびれる)くせにのどにはいまいち効いていない気がしたが、今日行った薬局は今日買った薬を飲みながらそのトローチも続けて飲めという。
とりあえず、私が座りたがったので「マスカロン」というHさんおすすめのレストランに行き、鰯のマリネ、イカの卵、グリーンピースなどの前菜と、オマール海老を丸ごと使ったなんとも豪華なパスタをごちそうになる。その間、私の将来のことなど、海外で働く上のアドバイスなど。いろんなためになる話を聞き、またまた、いろいろ考えさせられてしまった。
その後、一緒にインターネットカフェに行き、私とHさんを引き合わせてくれた姉にメールを書いたり、HPを一緒にチェックしたりした。
一時間ほど、インターネットカフェにいたら、私は熱のせいか頭がくらくらしてきたのでとりあえずカフェへ。シチリア産の赤いオレンジのしぼりたてのジュースをのんで一息。これはとても濃くて美味しかった。ビタミンも豊富そうで風邪に効きそう。
その後、サン・ジョパンニ・エ・パウロ教会にてベリーニの祭壇画(これは修復からもどってきたばかりで見れたのはとてもラッキーだった)その他の絵を見ながらキリスト教美術についての見解を語り合う。これはとても貴重な体験だった。
その後、私が月曜日にプレゼンを行なう某教会へ二人へ行き、一緒に見てもらいながら、中の彫刻や絵画をガイドを読みながら説明すべき箇所をチェックする。
Hさんは以前、イタリア内の観光ガイドをやっていただけあって、さすがにキリスト教美術に詳しく、私はとても助けられた。その上、Hさんが管理の人に交渉してくれ(「この子は学生で、この教会について調査に来ているので特別に見せてあげてくれないか?」と頼んでくれたらしい)、教会の閉まる時間まで待てば、二階のパイプオルガンのフロアと地下の聖骨堂にいれてくれることになった。
10分ほど見学しながら待つうちに閉館となり、私1人、もともと某有名画家の「受胎告知」の扉絵があったというオルガンのバルコニーに登る。そこから見る教会の内部はとても綺麗で、下から見るものとは違っていた。教会で売っている内部の絵葉書はこのバルコニーから撮影したものだということもわかった。この教会の祭壇は床から階段を10数段上った高い位置にあるので、このバルコニーから見ると、ちょうど、真正面に祭壇がくるのだ。
聖骨堂の中にも、この教会の設計者で、彫刻家でもある**のレリーフがあり、これを見ることができたのも嬉しいことだった。さらに、19世紀の大幅な修復のさいにどこに使われていたのか不明になってしまったという大理石の文様のレリーフも地下に飾ってあり、興味深かった。
その後、Hさんのイタリア語での質問と、私が英語でした質問にその係員の人はそれぞれ丁寧に答えてくれ、(返答はすべてイタリア語だったので私はHさんの通訳がなければまったくわからなかった)とても、参考になった。
教会を出ると外はにわか雨。しばらく、その教会のアーケードの下で、教会について今日聞いたことのおさらいをする。その後、雨が上がったので、サン・ザッカ―リア教会へ寄って、またまたベッリーニの他の祭壇画を見る。
晩御飯に誘ってもらい、また船に乗って、Hさんのお宅へ。疲れて自分で晩御飯を作る気力もなかったので嬉しい申し出だった。しかも、彼女はとても料理が上手い。家に戻ると、もうご主人がお腹をすかせて待っていて、二人で魚介のリゾットを作り始めた。
車えびのような立派な海老の身と白身魚をいっぱい使って、その海老の頭と魚で取ったスープで作ったリゾットはレストランで食べたものよりも数倍美味しかった。
そして、リゾットの後は、グリーンアスパラガスとポーチドエッグのパルメザンチーズとバターソースがけ。これもシンプルながらとてもいきいきとした味。
飲み物は辛口のプロセッコ(べネツィア近郊名産のスパークリングワイン、フルーツの香りが強い)。
食事を終えて、おしゃべりをしていたらもう9時。私は体調がいまいちなので早めにおいとまさせて頂く。9時半お宅をでて水上バスを乗り継いで、10時半近くに帰宅。同居人のMは私の帰りが遅いのでちょっと心配していた。
疲れたので、遅くならないうちに就寝。


 < 過去  INDEX  未来 >


ふうこ [MAIL]

My追加