2004年02月08日(日) |
彼女を見ればわかること-女の成功とは? |
というタイトルの映画を見た。すごくいい映画だった。 見終わったあとの感じがまるでレイモンド・カーヴァーの短編集を読み終わった時のような感じだなと思って、しかも映画の中に「まるで百年の孤独ね」というようなセリフがあったりしたので、文学好きの監督かなと思ったら、脚本・監督がガルシア・マルケスの息子と知って納得が言った。 いい映画っていうのはそのときはガーンとこなくてもふとしたときに自分の記憶となって思い出したりするもの。この映画はそういう映画になると思う。しばらくしたら、もう一度見たいくらい。
私がそのスタイルの良さ以外に魅力を感じない女優キャメロン・ディアスのモノローグのシーンさえ胸にジーンと来る出来栄え。 監督・脚本が同じ人というだけあって、映画の雰囲気と脚本がぴったり合っていて素晴らしい。 映画の中身も、30代のシングル女性なら共感できる細かいエピソードがいっぱい。全く同じ経験がなくても、辛かったときにつっぱって一人で歩き始めて周りに誰一人知る人のいない路上で、突然泣き出してしまうあの感じ。 私には痛いほどわかる気がした。
リリーフランキーが「まむしのアンアン」の中で成功している女というのはどういうことをいうのか。。。と書いていた。男だったら仕事で成功して、豪邸を建て、美女をはべらせて。。って成功者のイメージを描けるけれど、成功している女性というのは、周囲の人々と愛し愛されてなければ、豪邸に一人住んでいても幸せそうに見えないというようなことを言っていた。 差別だと言われようが、それは真実かもと思った。 淋しそうな女性は収入が高くても幸せそうには見えない。女性というのは男性以上に愛情の対象を必要とするものなのかも知れない。 愛情を何かに注ぐ欲求が満たされてはじめて本当の意味で幸せになれるのが女性の性(サガ)のように感じる。他の存在無しでは幸福になれないというところが女の悲しい性だなとつくづく思う。でも、母なる性が愛情欲求を持てなくなったらそれこそ種としての衰退だと思う。(近頃そんなケースも多々見られるが)。他の生命に愛を注がずにいられない女性の存在のあり方は、淋しさと同時にすべての創造の元となっているように思う。
|