女の世紀を旅する
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2011年08月12日(金) チェルノブイリ原発事故の放射能汚染の影響

●チェルノブイリ原発事故の影響

商用発電炉の歴史で、放射線による死者が出たのはこれが初めてだった。2000年4月26日の14周年追悼式典での発表によれば、ロシアの事故処理従事者86万人中5万5000人が既に死亡しており、ウクライナ国内(人口約5000万人)の国内被曝者総数342.7万人の内、作業員は86.9%が病気に罹っている。また、周辺住民の幼児・小児などの甲状腺癌の発生が高くなった。IAEAの記録によると、この事故による放射性物質の放出とそれに伴う汚染は広島に投下された原爆(リトルボーイ)による汚染の約400倍と多いが、20世紀中頃の大気圏内核実験による汚染と比べた場合、その比率は100分の1から1,000分の1に過ぎない。この事故は局地的な災害であって、全地球的災害ではないという考え方もできる。国連科学委員会の「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR-1993)によると1945年から60年代に行われた約500回の大気圏核爆発により拡散した放射性物質による集団積算線量は2230万人・Svと推定されている。対してチェルノブイリ事故による集団積算線量は60万人・Svと推定されており核爆発の約13回分(40分の1)に相当している。国連科学委員会は2008年の報告で集団積算線量を以下のように推定している。(1986-2005年の間の累計値)

�”�旧作業者、53万人の集団積算線量は61200人・Sv、平均一人117mSv
��避難民、11万5千人、集団積算線量は3600人・Sv、平均一人31mSv
��ベラルーシ、ロシア、ウクライナの汚染地区に住む住民、640万人、集団積算線量は58900人・Sv、平均一人9mSv
�け�染地区外に住むベラルーシ、ロシア、ウクライナの住民、9800万人、集団積算線量は125000人・Sv、平均一人1.3mSv
�ゾ綉�以外のヨーロッパの住民、5億人、集団積算線量は130000人・Sv、平均一人0.3mSv

●直後の影響

爆発時、炉心内部の放射性物質は量にして推定10t前後、14エクサベクレルに及び放射性物質が放出され[30]、北半球全域に拡散した。周辺地域の家畜に放射性物質が蓄積され、肉、牛乳も汚染された。事故直後の社会現象としては、例えば、日本では欧州産スパゲッティの販売量が一時的に急減した。「放射線障害に効く」というデマが流れ、ヨード卵の価格が高騰した。日本では、この事故をきっかけに原子力発電そのものに対する一般市民の不安が急増した。このため、政府は、『日本の原子炉はアメリカ型で、事故を起こしたソビエト型とは構造が異なり、同様の事故は起きない』という説明を行った。


●放射性物質の長期的動向

事故の直後においては健康への影響は主に半減期8日の放射性ヨウ素によるものだった。今日では、半減期が約30年のストロンチウム90とセシウム137による土壌汚染が問題になっている。最も高いレベルのセシウム137は土壌の表層にあり、それが植物、昆虫、キノコなどに吸収され、現地の食糧生産に入り込む。最近の試験(1997年頃)によると、この区域内の木の中のセシウム137のレベルは上がり続けている。汚染が地下の帯水層や、湖や池のような閉じた水系に移行しているといういくつかの証拠がある(2001年、Germenchuk)。雨や地下水による流去は無視できるほど小さいことが実証されているため、消滅の主な原因は、セシウム137がバリウム137へ自然崩壊したことによるものと予想されている。


●労働者と解体作業者

事故後に復旧と清掃作業に従事した労働者は高い放射線線量の被曝を受けた。ほとんどの場合、これらの労働者は受けた放射線量を計測するための個人線量計を装着していなかった。それゆえ専門家は彼らの被曝線量を推定するしかなかった。線量計が使われていた場合でも、測定手順はまちまちだった。一部の労働者たちは他の者よりも大量の放射線量を受けたと推定された。ソ連の推定によると、30万から60万人が炉から30kmの退避区域のクリーンアップに従事したのだが、その多くは事故から2年後にその区域に入った(解体作業者"liquidators"とは事故の処理と復旧作業のためにその区域に立ち入った労働者を言うが、その推定人数はまちまちである。例えば、世界保健機関 (WHO) は約80万人とし、ロシアは汚染区域で働い
ていなかった一部の人間も解体作業者としてリストに含めている)。事故から最初の1年で、この区域のクリーンアップ労働者は約21万1,000人と推定される。これら労働者は推定平均線量165ミリシーベルトを受けた。


●避難

ソ連政府は事故から36時間後にチェルノブイリ周辺の区域から住民の避難を開始した。およそ1週間後の1986年5月までに、当該プラントから30km以内に居住する全ての人間(約11万6000人)が移転させられた。その他、当該プラントから半径350km以内でも、放射性物質により高濃度に汚染されたホットスポットと呼ばれる地域においては、農業の無期限での停止措置および住民の移転を推進する措置が取られ、結果として更に数十万人がホットスポット外に移転した。ソ連の科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム137に汚染した。当時、約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。当時、約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた。

●健康被害

民間人に対する長期的影響についての問題は、議論の余地が大きい。この事故で生活に影響が出た人の数は極めて多く、原発から半径30km圏内の住民約11万6000人が即時に強制避難、ついで線量ホットスポットである北西約100km圏内も避難対象となり、計40万人超が移住を余儀なくされた。また約60〜80万人が事故後の処理に従事した(リクビダートル)。現在も約2億人の人々が汚染区域に住み続けている。その一方で、これらの人々の大部分は、比較的に低線量の被曝であると言われる。汚染区域の子供は甲状腺に、最大で累積50グレイの高線量を被曝した。これは汚染された地産の牛乳を通じ、甲状腺に蓄積される性質を持ち、半減期の短いつまり高線量である放射性ヨウ素を多量に摂取したためであり、また子供は身体および器官が小さいため、大人よりも累積線量が高くなるためでもある。IAEAの報告によると、「事故発生時に0歳から14歳だった子供で、1,800件の記録された甲状腺癌があったが、これは通常よりもはるかに多い」と記されている。発生した小児甲状腺癌は大型で活動的なタイプであり、早期に発見されていたら処置することができた。処置は外科手術と、転移に対するヨウ素131治療が必要である。現在までのところ、このような処置は診断されたあらゆるケースにおいて成功を収めているようだ。1995年、世界保健機関 (WHO) は、子供と若年層に
発生した700件近い甲状腺癌をこの事故と関連付けた。10件の死亡が放射線に原因があるとした。しかし、検出される甲状腺癌が急速に増えているという事実は、そのうち少なくとも一部はスクリーニング過程によって作り出されたものであることを示唆している。放射線により誘起される甲状腺癌の典型的な潜伏期間は約10年であるのに対し、一部地域での小児甲状腺癌の増加は1987年から観測されている。しかし、この増加が事故と無関係なのか、あるいはその背後にあるメカニズムかは、まだ十分に解明されていないとIAEAは主張している。資金不足、不十分な時系列的疫学調査、貧弱な通信設備、および多くの要因からなる緊急の公衆衛生問題により、旧ソ連では疫学的調査が遅々として進んでいない。適切に設計された疫学的調査よりも、スクリーニングに重点が置かれてきた。適切な科学インフラが不足しているため、国際的に疫学的調査を体系立てて行うことが遅れている。ベラルーシ・ウクライナは、環境の回復、退避と再定住化、汚染されていない食料の開発と食料流通経路の開発、公衆衛生への対策などを行ってきたが、重過ぎる負担になっている。国際機関と外国政府は広範囲に渡る物流支援、人道支援を行ってきた。加えて、欧州委員会 (EC) と世界保健機関は、ロシア、ウクライナ、ベラルー
シでの疫学的調査基盤を強化し、あらゆる種類の疫学的調査の能力を向上させている。住民が元々暮らしていた場所から離れた区域へ再定住化した結果、家族、社会ネットワークが離散し、既に住んでいる住民から嫌われるような地域に移転することにより、心理的影響が与えられた。住民は現在でも少なくとも半年に1回は定期的な健康診断を受けており、健康に不安を持っている。一部の人には、男性では頭髪が抜けたり、女性ではひげが濃くなったりといった症状を訴える人もいる。

●癌の症例

いくつかの研究により、ベラルーシ、ウクライナ、およびロシアの子供での甲状腺癌の発生が増えていることが判った。
国際連合人道問題調整事務所の立ち上げた「The United Nations and Chernobyl」によると、ウクライナでは350万人以上が事故の影響を受けており、その内の150万人が子供であった。癌の症例数は19.5倍に増加し、甲状腺癌で54倍、甲状腺腫は44倍、甲状腺機能低下症は5.7倍、結節は55倍となった。ベラルーシでは放射性降下物の70%が国土の四分の一に降り、50万人の子供を含む220万人が放射性降下物の影響を受けた。ベラルーシ政府は15歳未満の子供の甲状腺癌の発生率が2001年には1990年の2000例から8,000-10,000例に急激に上昇したと推定している。ロシアでは270万人が事故の影響を受け、1985年から2000年に汚染地域のカルーガで行われた検診では癌の症例が著しく増加しており、それぞれ、乳癌が121%、肺癌が58%、食道癌が112%、子宮癌が88%、リンパ腺と造血組織で59%の増加を示した。ベラルーシとウクライナの汚染地域でも乳癌の増加は報告されている。

2011年、アメリカ国立衛生研究所の機関であるアメリカ国立癌研究所を中心とした国際的な研究チームは、子供の被曝は大人が被曝した場合に比べて甲状腺癌にかかるリスクが高く、さらに依然として甲状腺癌の発症リスクが減少傾向に転じていないことを報告した。チェルノブイリ原子力発電所から約80キロ西にあるウクライナの農業地帯のNarodichesky地区に住む子供は慢性的な低線量被曝下にあり、事故から十年以上を経ていながら、土壌に含まれるセシウム137の濃度の増加にともない、赤血球、白血球、血小板の減少、ヘモグロビン濃度の低下が観測され、さらに、気道閉塞(Airway
obstruction)や気道狭窄などの症状の増加が観測されている。

●小児白血病

ウクライナの最放射能汚染地域であるリウネ州、ジトームィル州、チェルニーヒウ州、チェルカースィ州に永住し、チェルノブイリ事故当時、6歳未満だった子供たちに対して、累積線量10mGyを越える被曝によって事故後の11年間で急性白血病のリスクが増加したかどうかを評価するために、疫学調査が行われた。線量は4段階(0?2.9, 3?9.9, 10?99.9, 100?313.6 mGy)に区分され、対
象の91.6%は10 mGy以下の線量であった。白血病のリスクについて最小の線量区分(0?2.9
mGy)を1としたオッズ比が見積もられ、それぞれの区間のオッズ比は、3?9.9 mGyの区間で1.5(95%CI 1.0-2.8)、10?99.9 mGyで2.1(95%CI 1.2-3.7)、100?313.6 mGyで4.4
(95%CI 1.3-15.1)と見積もられ、白血病のリスクは10 mGyを越える放射線被曝の線量と有意に関連し、事故後、はじめの5年の間に急増し、観測された白血病のうち97.6%が急性白血病で、その内訳は、急性リンパ性白血病が74%、急性骨髄性白血病が23.6%であった。

●先天性疾患、遺伝子変異

ベラルーシのホメリ州にあるChechersk地区とウクライナのキエフ州にあるPolessky地区において1983年から1990年までのデータを用いて行われた調査では、事故後、新生児に低酸素症、新生児呼吸窮迫症候群、血液疾患などの罹病率の増加が見られ、Chechersk地区では先天性疾患の顕著な変化は見られなかったが、Polessky地区では6.9%から24%へと増加を示した。この研究の結果、母親、胎児、子供の健康は妊娠女性と子供の各器官と体組織の適応異常や病理学的異常とともに放射線による著しい影響を受けていることが結論づけられた。
ベラルーシの放射能汚染地域における胎児と新生児の先天性疾患に対する国の遺伝子モニタリング(Genetic monitoring)のデータを用いた調査によると、事故以降、多発奇形、多指
症、四肢減形成の頻度の増加が見られた。ベラルーシの放射能汚染地域におけるコーホート研究による新生児のデータ結果は、放射線被曝と貧血症、先天性疾患、周産期死亡の発生の間に、潜在的に強い関係があることを示している。慢性的な放射能汚染地域にあるポリーシャ地域のリウネ州では、神経管欠損症(Neural tube defect)の割合が持続的な上昇を示しており、
結合双生児や奇形腫の上昇、および小頭症(Microcephaly)や小眼球症も同様に上昇を示した。
ウクライナやベラルーシの農村部に居住し暴露した家族を調べたところ、放射線の影響による遺伝子の変異として、生殖細胞におけるミニサテライト(Minisatellite)変異率の上昇が観測されている。



★写真家Paul Fuscoがチェルノブイリで放射能の影響を受け生まれてきた子供を写した写真。放射能の影響で先天的に肉眼形態上の異常を持って生まれてきた(奇形)子供たちの映像。
【警告.心臓の弱い人は見ない方がよいでしょう】

★Chernobyl accident
http://www.youtube.com/watch?v=mXMUTaSortI&feature=related


★Children of Chernobyl (WARNING: Graphic)
http://www.youtube.com/watch?v=4fCCVU4y7oE&feature=player_embedded#at=88


ウクライナ科学アカデミー・細胞生物学遺伝子工学研究所によれば、ウクライナにおいては,合計して300万人を超える人々がチェルノブイリ事故によって,病気になったと考えられる。そのうち約100万人は子供である。また、事故後10年の乳児死亡率は12%〜14%台と以上に高い。(日本は2%台)




カルメンチャキ |MAIL

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