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「槞梛俚庵(るなりあむ)


時折綴

2002年10月18日(金) マニキュア

ずっと マニキュアを塗るのは好きじゃなかった。
亡くなった母は、とてもおしゃれな人で、いつも綺麗にお化粧して
そして控えめな色のマニキュアをしていた。
それをするのをとても楽しんでいた。

学生の頃、わたしは吹奏楽部に入っていてフルートを吹いていて
卒業してからも楽器に触れることも多く、絵を描いたり
タイピングの仕事をしたり…と、指先を使うことが何かと多く
マニキュアを塗ると、爪が重く感じられて好きじゃなかった。
今でも爪は、あまり長く伸ばしていない。

それが昨年、街中で、素敵なピンク色のマニキュアと出逢った。
淡い桜貝のような、それでいて虹色の光を放っていて
思わず立ち止まって、見つめてしまった。

さりげない自己主張――。
それがなんとも素敵だった。

それからいろんなピンクのマニキュアと出逢ったけれど
やっぱりこの「桜貝」が一番のお気に入り。

お友達に逢いに行くとき
娘と遊びにでかけるとき
ひとりの時間のとき

決して特別な日というわけじゃないけれど、そんな日の
前の晩にマニキュアを塗る。

大好きな音楽を聴きながら、ゆっくり爪に塗る。
そんなひとときが、とても大切で楽しかったりする。
楽しそうにマニキュアを塗っていた母の顔を思い出しながら…。

そして何だか嬉しくなっちゃうのは――
コーヒーカップを持つとき キラ★
買い物をしてお金を払うときに キラ★
風が撫でていった髪を、さらっと直すとき キラ★

そんなふうに指先が光ること。

きっと自分だけしか気がついていないことだろうけど
いいの。
何だか楽しくなるから。

ね? こういうの ちょっと いいでしょ。



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冰月まひな [MAIL] [HOMEPAGE]