2003年03月15日(土) |
「フルーツバスケット」 |
娘が「フルーツバスケット」という漫画を、お友達から借りてきたの。 少女漫画はほとんど読まない少年漫画大好きなわたしなのだけど、 「ギャグ漫画って言われてるけど、そうじゃないよ」と娘が言うので つい手にとってみたら――
どっぷりハマってしまったの。 なんて奥深い心理を描いているのだろう――。 思いっきり笑えてしまう所もいっぱいあるんだけれどね。
今日は娘と二人、お昼を食べながら感想を話し合ったりしちゃった。 わたしは娘を産んでいるから、母親の立場からも読んでいるし、 また幼い頃、屈折した思いをいっぱい抱えていた子だったから 子供の立場からも読めるの。
この漫画は、十二支の動物と同じ、十二の物の怪に憑かれた 草摩の一族たちと、温かな心を持つ少女の関わりを描いた 不思議な物語なの。
わたしは幼い頃、民話や昔話を読むのが大好きで この十二支の昔話も読んだことがあったの。 十二の動物たちが神様の宴会に招かれるのだけれど、 いたずら好きのネズミが、猫には違う日にちを教えちゃうの。 それで自分は牛の背に乗って行くのだけれど、一番乗りだって牛が思ったとき ネズミはさっと背中から飛び降りて、自分が一番乗りしてしまうの。 宴会が開かれ、十二の動物たちが楽しく過ごしている間、 猫だけは何も知らずにいるの。 それを読んだとき、猫がとても可哀想になって、どうして猫だけ 仲間はずれなのかすごく悲しくて母親に聞いたりもしたの。
それが主人公の女の子とまるで同じだったから、びっくりしちゃったんだ。 この十二支の物語を娘が3歳のときに話して聞かせたことがあって、 「なぜ猫さんだけいないの? ひとりぼっちでのけものにされて可哀想」と話したの。 まるでわたしと同じキモチでいたことに、また驚いたりもして。
それで―― 仲間はずれの猫憑きの夾(きょう)くんだけが、異形の物の怪の姿になるの。 親や一族からも拒絶されて生きているのだけれどね…
自分だったら―― 自分が魔物憑きの子供を産んだらどうするだろう…。 拒絶するか、過保護になるか、心が壊れるかだって登場人物は 述べているのだけれど…
わたしだったら 一緒に生きてゆきたいと思う。 愛する人の一族が呪われていたから 或いは自分の一族の宿命だからとしても それを一身に背負って生まれてきた子供を、拒絶なんてできない。 異形の物の怪の姿を目の当たりにしたら、きっと怖いと思うけれど そういう宿命を背負わせなくてはならなくなった運命ごと 子供を受け入れて、真正面から向かい合って生きて行きたいと思う…。
すべては無理かもしれないけれど、一緒に生きたいと思うの。
そんなこと 娘とじっくり話し合ってしまったの。 この漫画は、親子関係や友達との関係、そして自分の中の闇を 見つめ直す機会を与えてくれる凄い物語だと思うの。
これからも娘と一緒に、この同じ物語を見守って行こうと思ったの。 お互い違う感想を抱いたとしても、同じものを見るって、 素敵なことだと思うから。
|