夕刻、猫の額ほどの庭に茂った木々の枝を掃ってました。
ふ… と、高みから誰かが見つめてるような気がして空を見上げると―――
新月を越え、生まれたばかりのしなやかな三日月が 夜のとばりが降りる前の、深い蒼色の空に浮かんでいました。
急いで流れてゆく雲に時折隠れながら オレンジの三日月は 蒼から黒へ変わってゆく空で、輝きを増すのです。
木々のざわめきと、木立の間を駆け抜ける風の音に耳をすませながら 三日月の輝く音 聞いたような気がしました。
デジカメを家の中に置いて来ていたので、シャッターチャンスを 逃してしまいました。 残念―――。 月は同じ顔を見せてくれないから。
雨が近づいて来ています。 雨は好きだけれど、月のない夜は寂しいです。
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