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「槞梛俚庵(るなりあむ)


時折綴

2005年11月06日(日) 「蟲師」


土曜の28時。
日曜に日付の変わった午前4時。

フジTVで「蟲師」のOAが始まりました。
今夜はその3回目。
異色のアニメ。

原作は、漆原友紀 作
アフタヌーンKCより出版されてます。
公式サイト http://www.mushishi.jp/index.html

新番組ハイライトを一目観た時から、ふっ… と惹かれた作品なの。
まだ原作は読んではいないのだけれど、ものすごく丁寧に、怖いほど綺麗に
作られたアニメで、午前4時という遅い(早い?)時間にもかかわらず
じっと魅入られたみたいに観ているの。

お話の中で表されている「蟲」は、動物でも植物でも、また微生物や細菌とも違う
「命の原生体」に近いモノ達のことだそう。
それらは形や存在が曖昧で、蟲とヒトとが重なる時、ヒトの考えの及ばない
妖しい事象を起こすのです。

それらの生命とは?
何故、そこに存在しているのか?

主人公のギンコは、「蟲」とヒトを繋ぐ「蟲師」。
旅の途中でさまざまな人たちに出逢い、蟲が引き起こす現象を解明して行きます。

閉鎖された集落であったり、忘れられたような町であったり。
静かな 怖いくらい静かなアニメ。
それなのに恐ろしい激しさをも感じるのです。

今夜の「柔らかい角」は、素晴らしかったです。
しんしん… と降る雪。
その音のない音。
映画のように舞う雪の効果は、アニメを越えていました。
またギンコの静かな口調が、静寂をより引き立てていて。

わたしが幼い頃、茜色に染まる夕陽の影に、ぽっかり口を開けていた黒い闇を見て
ぞっ… となったことがありました。
「蟲師」は、そこに似た雰囲気のある作品でした。

すっかり気に入ってしまいました。
何処か『夢喰見聞』にも通ずるものがあります。

毎回エンディング曲が違うのですが、今夜の曲はまた一段と綺麗で…。


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冰月まひな [MAIL] [HOMEPAGE]