2005年12月04日(日) |
「雨がくる。虹がたつ。」〜蟲師〜 |
土曜日の28時(日曜日の午前4時)に放映中の「蟲師」は、毎回とても丁寧に作られていて、もうどっぷりハマってしまってる。
あまりにアニメが素晴らしかったので、原作はどうなんだろうと読むのを躊躇っていたんだけれど 1巻を手に取ったら、そんな考えなど吹っ飛んでしまって。 原作の漫画も、まるで日本の伝承を呼んでいるみたいなの。 すぐに6巻全部揃えちゃった。 もともと幼い頃から、日本の昔話や妖怪が大好きだったので、夢中になってしまって。 学生の頃には、副教科に民俗学を取ってしまったほど。 わたしが幼い頃は、まだまだトトロの世界のような原風景が広がっていて 摩訶不思議な出来事がいつも隣り合わせに在ったの。 名前を呼ばれたから振り返ったら、誰もいなかった… とかね。
今回の「雨がくる。虹がたつ。」も、映像的にもシナリオ的にも心に迫って来た。 虹に魅せられた男の息子が、同じように虹を追いかけて行くお話しなんだけど その虹は「虹蛇(こうだ)」という「蟲」なのね。 そこでギンコと知り合い、一緒に旅をするんだけれど…。
このお話を気に入っているのはね、わたしも虹を追いかけたことがあって 何処まで行っても虹に辿り着けないのね。 そのうち虹は消えちゃって。 追い求めても永遠に手に入れられない夢みたいな気がした。
すべてから逃げ出してしまった男に対して、ギンコは責めたり、これ見よがしな説教したりしないの。 いつでもそう。 ギンコは最良の道を一緒に探して、幾つか選択肢を示してくれるだけ。 選ぶのは自分。 ある意味、それは一番厳しいことだと思うのだけど、でも最高の優しさだと思う。 口数は少ないし、ぶっきらぼうなんだけど、でも彼の温かさが伝わってくる… そんな人なのね。
何故、彼が「ギンコ」っていうのか、それは原作の3巻でわかるようになってるの。 ホントにね、泣けてしまったよ。 ぼろぼろと泣けたんじゃなくて、ぽろり… って静かな涙なの。 心の奥底から滲み出てくる そんな感じ。
「蟲師」は、そういう心に沁みるお話なの。
次のお話は「海境より」 これも考えさせられるお話です…。
|