「暗幕」日記
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| 2002年03月14日(木) |
その足をどけろ/夢記録:玉造の里 |
創作:その足をどけろ
怒鳴られる理由がわかっていない顔 のいてくれ その足をどけてくれ
それは眼鏡の残骸 亡き友の 骨も残らなかった 形見となるはずの
壊す前に 砕く前に だからその足をどけろ
この土地の歴史を この場所と私の因縁を 知らないのはよくわかった 私もまた 説明する暇もないし 説明してやる気はない (だからこの先も知らされないままだろう 不本意ながら)
だからのいてくれ ここから失せてくれ その瞬間に絶望してしまったのだ われわれの間に言葉などないと
********* 夢記録:玉造の里 【夢の内容】 宝石のカッティング工房の周りで遊んでいる。野草をつんだ傍らを、磨かれた石をいれた箱を持っておじさんが通った。目の前の地面の黒い湿った土の上に、ブリリアントカットされたインペリアルトパーズが落ちている。色もはっきり出ていて子どもながら高価なものだとわかる。拾い上げてみていたらさきほどのおじさんが戻ってきたので渡した。また落ちていた同種の宝石は、渡したものより一段発色が薄かった。
サイコロ玉を彫刻した試作品をおじさんは見せにきた。ラズベリーレッドに染めたサイコロに、火・風・水・砂を表す連続模様をそれぞれ刻んで、攪拌機に入れてガラガラころがして元のサイコロ面だけ色を剥落させたものだ。その中でもっともみっともない模様を私は摘み取る。それは、模様に規則性がないばかりでなく、皮膚病のような粒が浮き上がったこぶもついていた。
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