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■ 私の元を去ったクライアント
昨年の今日 2001年12月26日
「来週の私の診察日まで待て」と M先生に指示したI教授の診察日でした 午前、I教授が外科に連絡をし Hの左腕の腫瘍を摘出する様に指示した 外科の診察室までHを送った後 私はI教授の元に戻った 細胞診の結果は年を越してからでないと判らないが 最後の望みとして 「リンパ腫である方が予後が良い」との事
腫瘍の摘出は午後になった 私の仕事も午後からだったが とてもHを一人病院に残して行ける状況ではなかった スタッフに連絡をし仕事を任せた 後に、その事がクライアントの心の傷となった
更に腫瘍の摘出は遅れ午後3時を過ぎた 日に日に腫瘍が増え 一番新しい腫瘍を摘出する事になった
スタッフに連絡をし 「今日は行けそうにない事をクライアントに伝えて その際、理由は伝えなくて良いから」そう指示した
Hの病気の事はHが伝えたい人だけに 自分の口から伝える事が望ましいと感じた
腫瘍の摘出が終わり 遅めの昼食を軽く取り 夕方には腹部CTの検査を終えた
スタッフに連絡をすると ずっと「先生はまだ来ないの」と訪ねられたとか 「先生はカウンセリングをしてくれなかった」と 話していた事も報告を受けた その気持ちがエスカレートし 「先生が予約を受けた癖に スタッフにカウンセリングをさせるなんて詐欺よ」 と言われてしまった しかしクライアントは私の前ではとても良い子なのである しかし私がカウンセリングできなかった事情を 話さなかった事が彼女には気に障った様で 相当な怒りだったと周囲の人から聞いた
その後、何度かお会いしたが 1度私がカウンセリングをしなかった事が 彼女の心の傷として残った
そして私の元を去って行った
数ヵ月後 Hの通夜の準備をしている最中に 彼女から携帯に連絡が入った 「すみません お通夜の準備をしている所なので 電話を切らせて頂きます」と私は言った 私の元を去って行った人を 再び受け入れる事が出来る程 私は暇ではなくなっていた
そして何度もメールを頂いたが 私から返信する事は1度もなかった
2002年12月26日(木)
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