詩-生人-

2009年05月03日(日) 鎧を着た紳士

丁寧に折り目を正した背広を纏う後姿を
横目で見ながら 珈琲を啜る僕の姿

鏡に映る自分の姿は とても滑稽
穴の開いたジーンズが 自分の欠点を指摘する

心の折れた蟻んこは 踏みつぶされるまで
現場で待機

綺麗なハンカチをポケットに仕舞う仕草を
横目で見ながら 新聞紙を広げる僕の姿

傍目からどう映っているのか
スポーツ面ぐらいしか興味の無い 自分が恥ずかしい

心の折れた蟻んこを 丁寧に踏んで行くのは
鎧を着た集団

心許ない蟻んこを 端っこへ追いやるのは
鎧を着た紳士

社会と言う頑丈な鎧は
僕には手の届かない 向こう側へ


 < 過去  INDEX  未来 >


沢野生人

My追加