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毎年旦那助は8月になると
「今年も行こうね。」
と言ってくれる。
8月4日は以前私の実家で飼っていたボクサーの「アリス」の命日。 今でもアリスのことを考えるとすぐに涙がこぼれてしまう。 もう8年も前のことなのに。
アリスがいるのは市営の動物のお墓。
母はアリスの祭壇を寝室に置き、 あれから8年の間、毎日水とごはんを絶やさないでいる。 その他、おもちゃやお菓子など色々なものが供えられている。
アリスの写真をいつも枕元において眠る母。
アリスは普通の死に方ができなかった犬だけに 母の心はなかなか癒えなかった。
そんな母のことを考えて旦那助は 毎年母を市営のお墓に連れて行ってくれるのだ。
そして出かけたついでにと 墓参りの後は色々なところに連れて行ってくれる。 あえて、どこに行くかは内緒にして「着いてからのお楽しみ」的な演出もなかなかにくいのだった。
今年は「木の家」という名前の喫茶店に行った。 山の中にある喫茶店で、名前の通り木造りの喫茶店。 喫茶店の隣には母の好きな陶器を販売する店がある。
旦那助の この毎年の粋なはからいで母はどんどん元気になっていく。
ありがとう旦那助。 私も旦那助の実家の父と母を大切にしようと思うのだ。 旦那助をこの世におくり出してくれた大切な人たちだもの。
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