
もくじ|楽しい過去|明るい未来
美容院へ行く。
おかげで、一堂零だった昨日までの私はフランス人形のように愛くるしく生まれ変わった。
せっかくマチに出てきたのだからブラブラしていきたかったのだが 私には帰ってやらねばならぬことがあったのだった。 美容院を出て私はすぐに地下鉄に滑り込みダッシュで家に帰った。
MOTの申請の閉め日が15日だということは認識していた。 それを過ぎると認定が翌月に延びてしまうのだった。 しかし今月の15日は祝日で、おまけにその前日は日曜日。さらにその前日は土曜日。複数行使って説明してみたが、つまりは3連休にあたるということをうっかり見過ごしていたのであった。(休日の場合閉め日が早まるのだった。)
昨日の段階で気づいていたのだが、 MOT認定カードに載る顔写真が「一堂零」ではちょっとイヤだから「フランス人形」の状態で挑もうと思った。(申請書類に顔写真を同封しなければならないのだった。) もういいかげん美容院に行かねばならない時期でもあったし、このような諸事情も重なって、何がなんでも今日フランス人形に変身しなければならなかったのだ。
家に到着するなり私は 即パソコンの電源を入れ申請書類をダウンロードしプリントアウト。 プリンターから吐き出される時間ももどかしかった。(吐き出される最中用紙を指でつまんでいた。だからプリント速度が上がるとは思っていないがそれ程に切羽詰っていたのだった。) 申請書類に記入後ハサミとセロテープと定規などの文房用品をカバンに詰め家を後にする。
近所の無人証明写真機(このような呼び方でいいのだろうか)の横にカーアクション並に車を横付けし写真機の中へ駈け込む。600円を投入するが椅子の高さが合わないことに気づきものすごい速さで椅子をクルクルと回転。 足元に35年間の人生で、今までに見たこともない程の巨大な蛾が横たわっていたことにも気づかないほど私は焦っていた。(撮影後に気づき鳥肌が立った。カーテンを閉め立ち去ろうとするが、恐いもの見たさでもう一度カーテンを開け巨大蛾を凝視してしまった)
車に戻り、 もうすぐ夕闇につつまれ何も見えなくなるギリギリの時刻に定規を持ち「3センチ×2.5センチ」をはかる。 はかり直しすればするほどまわりが暗くなり手元が危うくなる。
車の中でこのような作業をしながら私は
「バカだ。絶対バカだ。」
と自分を責める独り言を言っていた。 本当の大人はこんな目には遭遇しない。何やってるんだろう。私。
なんとか規定通りの写真ができ次はコンビニへ向かった。 コピーをとらねばならない書類があるのと、宅配便が利用できるということで。
最近近所にオープンしたコンビニの扉を開けるなり
「あ、あ…明日必着ってまだ間に合いますか!?」
と店員さんに尋ねる。 店長らしき初老の男性が
「あ、○○さん、もう今日の便行っちゃったよねー。」
とバイトさんに確認をとっていた。うわぁぁー!!もうこうなったら宅配業者の営業所に持ち込むしかないのかーっ!!<(ToT)>
すると
「いえ、まだ今日は来てないですね。」
とのことだった。よかったじょぉぉー!!
いつ宅配の人が回収にくるかドキドキしながらコピーをとり配達伝票に記入。
もうやめよう、こんな幼稚なこと。(涙)
もくじ|楽しい過去|明るい未来
|