宇宙 ほし の下で…
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Will
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2002年01月27日(日) |
こんな夜も悪くない。 |
「ガタッ…トン…」
ぴくっと肩をすくめたすぐ後、目を凝らして曇った窓の向こうをじぃ〜っと見た。
ネコがベランダの柵に”ちょこん”と器用に座ってた。
ネコは遥か前方をじぃ〜っと見つめているようだった。
私は窓ガラスの向こう側にいるネコをじぃ〜っと見つめていた。
しばらくして「トン!」と軽快に地上に降りたネコを確認して、
窓をそっと開けた。
ネコはあっという間に離れたところへ行ってしまっていた。
「これから、どの方向へ行くのだろう…」
ネコは振り返ってじっとこっちを見ていた。
「??」とクエスチョンマークを浮かべながら、私もじっとネコの目を見た。
すると、ネコは
「こいつに言っても無理そうだ…。」
と、言っているかのように、諦れたような態度をみせて南東の方向へ走り去っ
ていった。
ネコの行き先が気になったけど、
「追いつくのは無理そうだ…。」
と、諦めて空を見上げた。
一瞬、戸惑ってしまう程、きれいな深い色の空だった。
それから暫く、広い空の所々を目で追っては様々なことを思いだし、
切なくなったり、不安になったり、希望をみたりしていた。
外は冷たい空気が張り詰めていた。
けれど、なんだかフワッとしていた。
現実と夢の世界の境界線に立っているような、そんな気分の夜だった。
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