夕方になってから、ジーンズにTシャツのまま ロードを引っ張り出した。 バッグの中には煙草とzippoと携帯灰皿とMDに財布。
別に何を考えるでもなしに、いつもの土手に向かっていた。 ただ風が気持ち良さそうだと思っただけで 走ろうという気は毛頭なく、手にはグローブすらはめていない。
土手下の駐車場が騒がしい。 パトカーが1台、赤色灯を回しながら停まっているのが見えて その後土手上で座っていた私の後ろを、覆面パトカーが2台 クラクションを鳴らして通り過ぎる。 川下の方で何かあったのだろうが、一瞥したきりまた 風に吹かれながら川面を眺めて過ごしていた。
時々、飛行機雲が空を切るように伸びていったり 川を走るボートが波を作っていく。 真ん中の辺りで魚が跳ねる。
そんな光景を見て、ふと自分の影が長くなっているのに気付いた。 左肩越しに後ろを振り返れば、雲間にオレンジ色の夕陽があり そこで初めて1時間余りその場に居たことを知る。
2つミスった。 ライトを持ってこなかったことと、デジカメを持ってこなかったこと。
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